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コラム

2026.10.13 ピッキング

誤出庫・ピッキングミスを防ぐには?|よくある原因と、仕組みで防ぐ対策を解説

「似た品番の部品を取り違えて、ラインに持っていってしまった」「数が足りないことに、出庫してから気づいた」。部品や資材を生産ラインへ出庫する現場では、こうした誤出庫・ピッキングミスが、ライン停止や手戻り、在庫の食い違いにつながります。

さらに近年は、現場で働く人も多様になっています。厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)では、外国人労働者数は約257万人で、届出が義務化された2007年以降で過去最多となりました。産業別では製造業が約64万人と、全体の約4分の1を占めています。経験の長いベテランの勘や、日本語の伝票を読み慣れていることを前提にした運用を見直す必要がある現場も、増えていると考えられます。

本記事では、製造業の部品出庫で誤出庫・ピッキングミスが起きる原因を5つに整理し、運用の見直しでできる対策から、仕組みで防ぐ方法までを解説します。

1. 誤出庫・ピッキングミスとは

誤出庫・ピッキングミスとは、出庫の指示と異なるモノや数量を、置き場から取り出してしまうことです。また、ミスに気づかないまま誤ったモノが出荷されてしまうことを「誤出荷」と呼びます。

誤出庫・ピッキングミスには、主に次のような種類があります。

  • 品違い:似た品番・似た外観の部品を取り違える
  • 数量違い:必要な数より多く・少なく持ち出す
  • 取り忘れ:出庫リストの一部を持ち出し忘れる
  • 記録違い:持ち出した数と、入力した数が食い違う

特に注意したいのが「記録違い」です。たとえば5個持ち出したのに3個と入力すると、システム上の在庫は実際より2個多いままになり、その2個は置き場にはありません。次にその部品が必要になったとき、「あるはずなのにない」状態になり、探す時間や欠品の原因になります。誤出庫は、その場の手戻りだけでなく、在庫の信頼性そのものを下げてしまうのです。

※基本的な入出庫管理の効率化の方法は、コラム「入出庫管理とは?|基本の流れ・課題・効率化の方法を解説」で解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

2. 誤出庫・ピッキングミスが起きる5つの原因

原因1:目視と手入力に頼っている

現品表の品番を目で見て確認し、数量を手で入力する運用では、見間違いや入力ミスを完全に防ぐことはできません。品番が1文字違うだけの部品や、外観がほとんど同じ部品が並んでいると、慣れた人でも取り違えが起こります。

原因2:置き場が決まっていない・探しながら取っている

棚番で場所が決まっている部品は、すぐに取りに行けます。一方で、平置きやエリア単位の置き場、繁忙期の仮置きなど、置き場が固定されていない現場では、「どこにあるか」を探しながら取ることになります。探す時間が長くなるほど、焦りから確認がおろそかになり、ミスが起きやすくなります。

原因3:数を数える・入力する作業が多い

1点ずつ数えて、1点ずつスキャンや入力をする作業は、点数が多いほど負担が大きくなります。途中で声をかけられたり、別の作業が割り込んだりすると、数え直しや入力漏れが発生します。

原因4:指示が分かりにくい・経験に頼っている

紙のピッキングリストの順番が置き場の順になっていない、どの部品をどこから取るかがベテランの頭の中にしかない、といった運用では、新人や応援の作業者がミスをしやすくなります。日本語の現品表に書かれた部品名の漢字が読みにくく、外国人作業者が判断に迷う場面もあります。

原因5:在庫が足りないことに、出庫のときに気づく

出庫指示を受けて置き場に行ってから在庫不足に気づくと、急いで別の置き場を探したり、別のロットで間に合わせたりと、イレギュラーな対応が増えます。こうしたその場しのぎの対応が、記録違いや取り違えを招きます。

3. 原因と対策の早見表

まずは、自社の現場で多いミスの原因から取り組む対策を選んでみてください。

原因運用で見直すこと仕組みで防ぐ方法
目視と手入力に頼っている似た品番を離す・表示を見やすくするコードの読み取りで照合する
置き場が決まっていない置き場のルールを決める置いた場所を記録し、置き場ごとに対象品目を示す
数える・入力する作業が多い作業の割り込みを減らす複数のコードをまとめて読み取る
指示が分かりにくいリストを置き場順にする・写真付き手順書次に取るものを画面で示す
在庫不足に出庫時に気づく在庫の定期確認出庫前に引き当て、不足を事前に知らせる

これらの改善を進める4つのステップ

ただし、すべてを一度に変える必要はありません。次の順番で、小さく始めるのがおすすめです。

1. ミスを記録する:いつ・どの部品で・どんな種類のミス(品違い・数量違い・取り忘れ・記録違い)が起きたかを記録します。まずは1〜2か月分を集めます

2. 最も多い原因を選ぶ:記録を上の表の5つの原因に当てはめ、件数が多いもの、ライン停止など影響が大きいものから1つ選びます

3. 範囲を絞って試す:1つの置き場や、取り違えの多い品目群に絞って対策を試します。いきなり全体を変えるより、現場の負担や反発を抑えられます

4. 効果を数字で確かめる:対策の前後で、ミスの件数や出庫にかかる時間を比べます。効果が確認できたら、対象の範囲を広げていきます

ミスの記録が残っていれば、対策の効果を社内で説明しやすくなり、システム導入を検討するときの判断材料にもなります。

4. Iroato WMSでできること

ここまでご説明した製造業の部品出庫に向けた入出庫管理の選択肢として、Iroato WMSがあります。これまで説明してきた入出庫管理・ピッキングミス防止策として、以下の機能で業務を支えます。

  • 自動引当と不足のアラート:作業指図(WO)をCSVで一括取込し、出庫予定日順に在庫を自動で引き当てます。品目マスタや在庫データもCSVで入出力でき、ERPなどの上位システムと連携できます。引き当てられなかった分は赤・黄のアラートで表示されるため、不足を払い出しの前に把握できます
  • 置き場ごとのまとめ表示:棚ごとに対象品目をまとめて表示し、効率のよい順路でピッキングできます
  • まとめて読み取る照合:独自開発の2次元カラーバーコード「カメレオンコード」で、複数のコードを同時に読み取れます。読み取る対象も自動で絞り込まれます
  • 払い出し時の最終確認:ラインへの払い出しの際にカメレオンコードで最終確認を行い、目視や手入力による品違い・数量違いを防ぐ仕組みを整えます
  • 生成AIへの問い合わせ:在庫や引当の状況を、お使いの生成AIに日本語で質問して確認できます

読み取りにはスマートフォンやタブレットを使い、管理者はパソコンのダッシュボードで在庫・引当・進捗を確認できます。

5.まとめ

  • 誤出庫・ピッキングミスは、その場の手戻りだけでなく、在庫の食い違いや欠品の原因にもなる
  • 主な原因は、目視と手入力への依存、決まっていない置き場、数える・入力する作業の多さ、分かりにくい指示、出庫時に気づく在庫不足の5つ
  • 運用の見直しは大切だが、人の注意に頼る対策には限界がある
  • 読み取りによる照合や出庫前の引当など、仕組みで防ぐ対策を組み合わせると、経験の浅い人でもミスを減らしやすくなる

作業者が入れ替わっても、同じ品質で出庫できる仕組みづくりが、これからの現場には欠かせません。部品出庫の誤出庫・ピッキングミスにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

※本記事で触れた効果・機能の詳細は、現場の環境・設備によって異なります。詳細は個別にご相談ください。